ミッションオイル　TL70 GR
GR86/BRZ（ZN8/ZD8） 専用品

86/BRZ（ZN6/ZC6）と、GR86/BRZ（ZN8/ZD8）の純正指定ミッションオイルを比較すると「動粘度」が大幅に異なりますので、かなり低粘度タイプへ変更されたことになります。

また、GR86/BRZ（ZN8/ZD8）にも、初代モデル（ZN6/ZC6）と同様に「TL70型ミッション」が搭載されていますが、低粘度タイプのミッションオイルを使用するため、ミッションの内部も低粘度オイル対応の仕様に変更となったと考えられます。

動粘度とは
オイルの粘度を表す一般的な規格となり、数値が大きいとオイルの粘度が高く、固くて粘りがある状況となります。反対に数値が小さいとオイルの粘度が低く、サラサラした柔らかい状況となります。また、オイルは冷えている時は粘度が高く、高温になるに従って粘度が低くなることから、オイルの特性を正確に把握するため、動粘度は40℃（始動直後の油温）と100℃（走行中の油温）の2種類が表記されます。

低粘度ミッションオイルのメリットは、低温時のシフトフィールが大幅に向上することです。特に気温の低いシーズンでは、オイルの粘度が高いと、重く引っ掛かりのあるシフトフィールとなりますが、低粘度ミッションオイルを使用すると、シフトフィールが大きく改善されます。また、フリクションロスも少ないことから燃費性能にも優れます。

一般的な低粘度ミッションオイルのデメリットは、油温上昇により油膜が薄くなり過ぎることです。特に、高温、高負荷の状況が持続するスポーツドライビングにて、十分な油膜の厚さが確保できないと、ギア、シンクロ、ベアリング等、ミッションの内部構成部品にダメージが及びます。また、ミッションオイルは使用中に「せん断」を受けることで粘度が低下しますので、新油時の粘度が低いとライフが短くなる傾向であることもデメリットとなります（粘度低下のスピードは、使用環境とオイルのクォリティによっても左右されます）。

BILLION OILS TL70 GR ミッションオイル は、低粘度タイプでありながら「PAO/エステル ONLY」という守備力に優れる100％化学合成のベースオイルを採用しましたので、純正指定のミッションオイルと同等以上のライフを実現します。また、ミッションオイルに配合されている各種添加剤は、走行により消費されますが、消費される量は使用環境により大きく異なります。よって、少しでもギアの入りが悪くなったと感じた場合は、オイル内に残っている添加剤量が十分ではない可能性がありますので、走行距離にかかわらず交換の目安として下さい。

BILLION OILS TL70 GR ミッションオイル は、ストリート＆ワインディング専用品となり、サーキットの連続走行には適合しておりません。サーキット走行をされる場合は、BILLION OILS TL70 Competition model を推奨しております。

気温10℃以下の環境では、コールドスタート直後（1～3分間）、1速2速の入りが純正指定ミッションオイルより、少し重く感じることがあります。これは、BILLION OILS TL70 GR ミッションオイルの粘度が、純正指定ミッションオイルより少し高めに設定されていることが要因となります（数多くのテスト走行により、メリット／デメリットを何度も考慮し、高温サイドのマージンを確保するために決定した粘度です）。もちろん、コールドスタートから1～3分が経過し、油温が10℃以上になるとシフトフィールは純正指定ミッションオイルを大きく上回ります。また、暖機運転を行っていただければこの症状は発生しません。