BILLION OILS
エンジンオイル 0W-20
BILLION OILS エンジンオイル 0w-20 は、「自動車メーカー指定の粘度にて、サーキットでも安心して使用できるエンジンオイル」というコンセプトにて設定された、骨太設計の低粘度エンジンオイルです。ローフリクション、高い流動性、油温上昇の抑制、省燃費性能といった低粘度エンジンオイルならではのメリットはそのままに、分子量の違う複数の「PAO」と、厳選された「エステル」とを組み合わせたベースオイルの採用にて、高温・高負荷となるスポーツドライビングにも完全対応します。
また、直噴エンジン、直噴ターボエンジンへも、完全適合させるため、最新鋭の添加剤構成にて、以下の各種対応を行いました。
直噴エンジン特有の「オイル希釈による粘度低下」への対応
直噴エンジンでは、ガソリンがエンジンオイルに混入する「オイル希釈」が発生する傾向が強いことから、ポート噴射のエンジンに比べてエンジンオイルの粘度低下が発生しやすい状況となります。
BILLION OILS エンジンオイル 0w-20 では、この「オイル希釈」に対して、強靭な油膜を誇るベースオイルの性能と、「せん断に強い」粘度調整剤の配合により対応していますので、直噴エンジンにも、安心してご使用いただけます。
直噴エンジン特有のエンジンオイル内への「炭化物混入」への対応
直噴エンジンでは、ポート噴射の数倍といわれるカーボン(炭素の微粒子)が、シリンダー内に堆積し、エンジンオイル内に混入しやすいという特徴があります。これらは、やがてスラッジとなりエンジン各部に付着しトラブルの原因となってしまいます。
そこで、BILLION OILS エンジンオイル 0w-20 には、この直噴エンジン特有の炭化物混入に対応できるように、まず、清浄剤により、錆びや腐食の原因になるこれらの物質を中和。そして、分散剤により、スラッジ等を包み込み、底に沈まないように、オイル内に浮遊させますので、直噴エンジンにも安心して使用いただけます。
直噴ターボエンジン特有の「LSPI」への対応
直噴ターボエンジンにて、低速でアクセルを踏み込み負荷をかけた際に発生するLSPI(Low Speed Pre Ignition/低速異常燃焼)。原因は、オイル上がりにて燃焼室に侵入するオイルが起点となるケースが確認されており、これはオイルに配合される一部の添加剤成分が原因と特定されています。
そこで、BILLION OILS エンジンオイル 0w-20 では、この異常燃焼に関与する添加剤の量と種類を最適化したLSPI対策を行っていますので、直噴ターボエンジンにも、安心して使用いただけます。
BILLION OILS エンジンオイル 0w-20 は、低粘度でありながら、安心してスポーツドライビングに使用できる、直噴エンジン、直噴ターボエンジン、ポート噴射エンジン等、すべての4サイクル・ガソリンエンジンに適合するハイエンド・エンジンオイルです。
ベースオイル
「PAO」&「エステル」の最強コンビ!
ベースオイルには、分子量の違う複数の「PAO」 & 厳選された「エステル」を採用。
この「PAO」&「エステル」という最強コンビの化学合成油を使用した理由、それは、コスト以上に、オイル設計の自由度を重要視したからです。要するに、低粘度でありながら、サーキット走行をはじめとするスポーツドライビングに完全対応させるというコンセプトに合致させるには、これら、厳選された素材が必要不可欠となりました。
また、「エステル」に関しては、潤滑性、熱安定性というメリットはそのままに、配合される各種添加剤群をいかに有効に活用できるかという、相性(マッチング)も重視し、チョイスを行いました。
粘度分類
エンジンオイルの粘度にとって重要なこと
オイルの粘度は、温度により変化します。
油温が低いと、粘度は高く(ドロドロしている)、油温が高くなると粘度は低く(サラサラしている)なります。
この粘度が、低温から高温へと、どのように変化するかにより、エンジンオイルのキャラクターが決定されます。
エンジン始動直後や、低回転/低負荷でのストリート走行では、エンジンオイルの油温は、さほど高くなりません。
この状況で、エンジンオイルの粘度が高過ぎると、フリクションロスが大きくなってしまいますので、「低~中温域においては、粘度が適度に低いこと」が重要となります。燃費の向上を重要視されたオイルの粘度が、低~中温域にて、かなり低めに設定されているのは、上記の理由によるものです。
- 低~中温域にて粘度が必要以上に高い場合
- △ オイルがドロドロと硬いことから、フリクションロス(オイルの抵抗)が大きく、出力の一部を損出する可能性がある。
- 低~中温域にて粘度が適度に低い場合
- ◎ オイルがサラサラと柔らかいことから、フリクションロスが小さく、エンジンのピックアップ性能の向上、燃費の向上に貢献する。
高回転/高負荷を多用するスポーツドライビングでは、エンジンオイルの油温は、かなり上昇し、オイルの粘度が大幅に低下します。この状況では、各潤滑部の油膜が薄くなり、また、油圧も低下してしまいますので、「高温域においては、粘度が低くなり過ぎないこと」 が重要となります。省燃費系のオイルと違い、サーキット対応のスポーツオイルでは、たとえ低粘度タイプでも、高温時に粘度が低くなり過ぎないように設定されているのは、上記の理由によるものです。
- 高温域にて粘度が一定レベルに維持される場合
- ◎ 厚い油膜により、強力な潤滑を行うことができる。
- ◎ 油圧が安定していることから、エンジン内、各摺動部に、しっかりオイルが供給される。
- 高温域にて粘度が維持できない場合
- × 各摺動部の油膜が薄くなる。
- × 油圧が低く、安定しないことから、オイルが的確に各部に供給されず、エンジントラブル(特にメタル系のトラブル)を発生しやすい。
以上のように、使用する目的によって、エンジンオイルの適正な粘度特性は違ってきます。
低回転/低負荷でのストリート走行において、フリクションロスの低減や、燃費の向上が目的であれば、必要とされる粘度は低くなり、油温の上昇が、避けられないスポーツドライビングでは、一定以上の粘度を維持する事が重要となります。
- 高温域の粘度
- BILLION OILSエンジンオイルシリーズ は、サーキット走行をはじめとするスポーツドライビングに、完全対応したエンジンオイルです。そして、「いつでも、安心して走ることに集中できる」といった、優れたドライバビリティを実現するため、高回転/高負荷の状況が連続しても、安定した油圧を確保し続けることを最重視した粘度特性となっています。(エンジンオイルの粘度は、アイテムにより、異なります)
- 低~中温域の粘度
- 高温域での粘度を確保することを最優先としながらも、その領域の中で、低~中温域の粘度は、可能な限り、粘度が上がり過ぎないよう 粘度設定が行われています。このことから、ストリートにおける フリクションロスの増大や、ピックアップの悪さといった悪影響は最小に抑制されており、ストリート/ワインディングにおける使用環境にも、確実に適合します。
「SAE粘度分類」について
0w-20、5w-40、15w-50など、一般的に、エンジンオイルに表記されている粘度は、「SAE粘度分類」と呼ばれるグループにより、分類されています。この規格は、エンジンオイルの粘度を、CCS粘度計を用いて、-10~-35℃での低温粘度、そして、動粘度計を用いて、100℃での高温粘度を測定し、その計測結果から、「SAE粘度分類」に振り分けられています。
マルチグレードオイルでは、低温粘度は、0w、5w、10w、15w、20w、25wまで、6種類のジャンルで表記され、数字が小さいほど、低温時の粘度が低くなります(サラサラしている)。また、高温粘度は、8、12、16、20、30、40、50、60まで、8種類のジャンルがあり、数字が大きいほど、高温での粘度が高い(ドロドロしている)ことが特徴となります。
この低温粘度と、高温粘度を組み合わせて、粘度表記は行われます。
5w-40 vs 15w-40 | 低温粘度は、15w-40の方が高く、高温粘度は、同じジャンル。 |
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5w-30 vs 5w-40 | 低温粘度は、同じジャンルですが、高温粘度は、5w-40の方が高い。 |
0w-20 vs 5w-30 | 低温粘度、高温粘度 ともに、5w-30の方が高い。 |
では、SAE粘度分類が、同じであれば、それらのオイルは、すべての温度域で、同じ粘度特性なのでしょうか?
答えは、NOです。
なぜなら、SAE粘度分類にて、同じ分類となった場合でも、その領域内の上限近辺と、下限近辺の粘度では、厳密には同じ粘度にはなりません。たとえば、同じ「40」という高温粘度表記であっても、「30」に近い、「40」と、「50」に近い、「40」では、粘度が違ってくるのです。それに、5w-40と、10w-40の比較では、高温側の表記粘度は、同じ「40」であっても、低温側の粘度が高い、10w-40の方が、高温側の粘度も、少し高くなる傾向にあります。
特に、SAE粘度分類では、高温粘度を100℃のみで測定しているため、サーキット走行等により、油温が100℃以上となる超高温域では、オイルの クォリティによっては、粘度が大きく異なることがあります。
BILLION OILSでは、すべての試作品に対して、150℃における粘度も計測し、100℃から、どの程度、粘度の落ち込みが発生しているかを必ず確認して、開発を行ってきました。それは、机上のスペックに囚われることなく、実用域において、「絶対的な信頼性」を得るために、必要不可欠な、条件であることを知っているからです。
「粘度指数」について
「粘度指数」とは、SAE粘度分類とは異なり、温度の変化に対して、粘度がどれぐらい変化するのかを40℃および、100℃でのオイル粘度を計測し、この2点における粘度の差(変化量)を数値化したものとなります。
- 40℃での粘度が高く、100℃では粘度が低い(温度により粘度が大きく変化する)→「粘度指数」が低い
- 40℃と、100℃での粘度があまり変わらない(温度により粘度が大きく変化しない)→「粘度指数」が高い
といったように、温度による粘度特性で、「粘度指数」が決まり、比較的、粘度変化が大きなグループ1と呼ばれる鉱物油がベースの場合、粘度指数は、約100。そして、粘度変化が小さな化学合成油がベースとなると、130~180と、数値が大きくなります。
- 粘度=オイルの硬さ
(粘度が高いと、オイルが流動しにくく、粘度が低いと、水のようにサラサラ) - 粘度指数=温度による粘度の変化指数
(粘度指数が高いと、低温域と高温域にて、オイルの粘度があまり変化しない)
SAE粘度分類では、0w-40、0w-50といったように、低温粘度と、高温粘度の数値が離れているオイルは、「粘度指数」が高く、反対に、10w-30、20w-40といったように、低温粘度と、高温粘度の数値が近いオイルは、「粘度指数」が低くなります。
「エンジンオイルの粘度にとって重要なこと」にて、明記しましたように、低~中温域では、フリクションロスの低減のため粘度が低い方が有利となり、高温域では、安定した油圧を確保するため、粘度が高い方が有利となることから、「粘度指数」の高いオイルの方が、粘度的には、ハイレベルなエンジンオイルとなります。
しかし、使用用途によっては、あまりにも、「粘度指数」が高いと、適合しないことがあるのです。
それは、0w-40、0w-50等、「粘度指数」を大きく向上させるためには、大量のポリマー(高分子)が必要不可欠となり、スポーツドライビングでは、エンジンオイルが、「せん断」を大きく受けることから、これらのポリマーが急激に劣化してしまうからです。結果、新油の状況では、十分な粘度を確保するものの、継続使用により、高温域での粘度低下を招き、オイルのライフが極端に短くなってしまう可能性があるのです。
「せん断」による粘度劣化について
SAE粘度分類におけるテストでは、オイルを過熱して、限定された温度ポイントにおいて、動粘度を計測します。
しかし、実際のエンジンオイルは、エンジンが発生する熱により温められるだけではなく、金属間の狭い隙間をエンジンオイルが潤滑する際に、必ず「せん断」を受けてしまいます。
この「せん断」により、オイルの粘度を維持しているポリマー(高分子)が、破壊されることでオイルの粘度が著しく低下することがあリます。たとえば、まったく同じオイルでも、「せん断」を伴って温度が上昇した状況と、オイルを過熱して温度が上昇した状況とでは、明らかに 「せん断」 を受けた方が、粘度が低くなります。
よって、「せん断」に強いタイプのオイルと、そうでないオイルとの比較では、規格上は同じ粘度であっても、実際、「せん断」 を受けた状態での粘度は、大きく異なることがあるのです。
BILLION OILSでは、すべての試作品に対して、この「せん断」を受けることで、オイルの温度を上昇させた状態でも、粘度の計測を行っています。また、BILLION OILSが使用するポリマーは、レーシングオイルにて実績のある「せん断」に対して非常に強いタイプのポリマーをごく少量のみ使用していますので、スポーツドライビングにおける粘度劣化のスピードが緩やかで、ロングライフであることも、大きなメリットとなります。
添加剤
有機モリブデン
金属同士が激しく擦れ合う境界潤滑領域で、潤滑被膜を形成することによって、強力な潤滑を行ってくれるのがモリブデンです。有機モリブデンは、厳しい潤滑環境下において、圧力が加わると、二硫化モリブデンへと変化し、金属表面に潤滑被膜を形成しますので、摩擦の低減に大きな効果があります。
また、このモリブデンのメリットを最大限に引き出すには、エステル油との相性がとても重要となります。そこで、製造過程において、多種多様のキャラクターを作ることが可能となるエステル油の特性を活用して、徹底的にモリブデンとの相性を優先したエステル油をマッチングさせました。
結果、通常では、摺動面に点在するモリブデンの潤滑皮膜を、摺動面全体に分布させることで、摩擦低減効果に大きく貢献しています。
粘度調整剤
エンジンオイルの粘度に関する説明に、必ず登場する「ポリマー」と呼ばれる物質。「ポリマー」とは、高分子体(分子量の大きな分子)のことを指し、オイルに添加することで、高温での粘度が向上することから、粘度向上剤とも呼ばれています。
では、下図を見てください。
これは、一般的なエンジンオイルに使用されているポリマーです。
特徴としては、常温では、丸まった糸くずのように表面積を小さく保つことから、低温での粘度には、あまり関与しません(低温では、粘度が必要以上に上昇しないようにする)。そして、温度が上昇するにつれて、ポリマーが伸び、一本の高分子体となることから、オイルの粘度が上昇します。このことから、低温域では、必要以上に粘度を上げることなく、温度上昇により粘度が低くなる高温域のみ、粘度を高くすることが可能となるのです(これが、ポリマーを使用する最大のメリットです)。
しかし、一般的なポリマーでは、高温、高負荷の状況下で、「せん断」を受けることにより、ポリマーが破壊されることから、継続使用におけるオイルの粘度低下に問題がありました。
ちなみに、一部の方には、「ポリマー」は、あまり印象が良くないかも知れません。なぜなら、一昔前に、粗悪なベースオイルにポリマーを大量に投入し、優秀な机上のスペックを売りとしたエンジンオイルが存在したからです。
しかし、現在、このポリマーの技術は、革新的な進化を遂げ、とても高価ですが、せん断にも非常に強いタイプが存在します。
そこで、BILLION OILSでは、最新のポリマー技術を駆使し、「せん断」に非常に強いスターポリマー(星型高分子)と呼ばれている、ポリマーをごく少量のみ使用しています。
スターポリマーのメリットは、足の数が多いことから、「せん断」を受けた際に、ポリマーの引き伸ばされる量が構造的に短くなるため、「せん断安定性」に優れています。よって、高温、高負荷の状況下で、強い「せん断」が、発生しても、長期間、粘度を維持し続けることが可能となるのです。
清浄分散剤
エンジンオイル内には、酸化を受けて発生する酸化物や、燃焼によって発生した、蒸気、亜硫酸ガス、窒素酸化物によって生成された炭化物が混入します。これらは、やがてスラッジとなり、エンジン各部に付着します。そこで、清浄剤により、錆びや腐食の原因になるこれらの酸化物質を中和します。また、分散剤により、スラッジ等を包み込み、オイル内に浮遊させ、底に沈まないようにします。
耐磨耗剤
エンジン内部には、ピストンリングと、シリンダー等、金属と金属が接触する部分が多く、磨耗が促進されます。そこで、Zn DTP と呼ばれる磨耗防止剤により、各部品の磨耗を大幅に抑制してくれます。
流動点下降剤
超低温域(-20℃以下)での流動性を向上させるために、処方される添加剤です。
寒冷地でのエンジンスタートを容易にします。
酸化防止剤
エンジンオイルにとって、冷却はとても重要な性能です。
常温から、120~150℃まで、エンジンオイルの温度は変化しますので、高温域では、酸化を受け、酸化生成物を生じます。これらの酸化防止に効果のある添加剤が配合されています。
消泡剤
空気が存在する条件下で、エンジンオイルが激しくかき混ぜられると、泡を生じます。この泡が原因で、油圧が下がり、エンジン各部に送られる油量が減少し、多くの問題が発生します。そこで、ジメチルシリコーンをはじめとする、オイルに溶けない、消泡剤を配合することにより、気泡が割れやすい環境を作り、安定したオイルの供給を可能としました。